神岡探訪記


その1/1997年11月訪問(1)

 神岡鉱山(*01)を知ったのは,もう15年以上も前,「懐かしの軽便鉄道」(毎日新聞社刊)という写真集であった.全国の軽便鉄道を豊富な写真と記事で紹介した良書であるが,その付録とも言うべき巻末近くのモノクロページに専用鉄道についてのコラムがあり,そこに「高原川を渡る列車」の写真があった.その時に軽く神岡鉄道の名が脳裏に刻まれた.
 その後も様々な書物で神岡鉄道を目にすることになるが,北陸方面に旅する機会は何度かあったがなかなか神岡にまで足を延ばす機会がなかった.
 5年前に就職し,比較的経済的に余裕が出てきたこともあり,時間はあまり自由ではなかったが年に4〜5回は鉄道を目的とした旅に出るようになった.就職2年目の秋に4泊の旅を計画,目的地は北陸にした.それまでにも訪れたことのある立山砂防軌道や尾小屋,その他私鉄等を行程に折り込んだ.以前からできるだけ専用鉄道や廃線などを廻るようにしていたので,今回も未訪問の専用鉄道や廃線の類はないかと考えた.「神岡」だ.気にはなっていたものの交通の便の悪さや遠さもあり行かないでいた.今回は神岡に1日使ってみよう.いやむしろ今回の旅は神岡を中心にしてみよう.
 早速インターネットで「神岡鉱山」をキーワードに探してみた.鉄道関連の他に鉱山関連でいくつかヒットした.まとめると,現在操業中の神岡鉱業所の他に廃坑や操業をやめた事業所がいくつかあること,現在の神岡鉄道の沿線(*02)の「茂住」という所に大規模な事業所があり,さらにその奥の山の中に廃坑があり,そのどちらにも軌道が残っていること…であった.場所に関しては余り詳しい案内はなく,記事の内容や写真等から大体の場所や位置関係を推測した.今思えば他にももっとあったのだが,その時は見落としてしまっていたのである(*03).
 11月,北陸旅行に出かける.上野から急行「能登」に乗りまず金沢へ.北陸鉄道や金沢の街を見て最終列車で富山に移動し1泊,翌日朝一で神岡に向かう.富山から猪谷を経由して神岡鉄道への乗り継ぎは良いのだがいかんせん本数が少ない.現地でどの位時間がかかるか判らないが,とりあえず帰りは茂住を17時ちょうどに出る列車で帰ることにしていた.
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事業所
坂の上から見た事業所.
線路
事業所の入り口付近の線路.
建物の中
線路を覆う建物の内部.
電気機関車
屋内にあった電気機関車.
ヤード
ヤード全景.

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