神岡探訪記


その5/2002年11月訪問(2)

 取り敢えず様子を見てみようとことになり,我々は気象情報に一喜一憂することになる.これまでに知り合った地元出身の方にも情報の提供を求め,現地での天候の影響を考慮した対策も検討した.車には冬用タイヤかチェーンが必要であろうとか,場合によっては1泊の予定のところを2泊にするとか,山歩きの装備をどうするか等である.
 11月に入り,週間予報等を見ても天候は悪くなるばかり.特に現地を訪問する4日には悪天候の峠になるとの予報が各所から出されていた.最早その地域に行くこと自体をためらっても不思議ではない状況である.
 前日の夜,筆者の仕事が終わり,友人と合流,この時点でもまだ決行するかどうか議論が続いた.食事をし,気象情報や地元に滞在している知り合いの方の情報を基に検討をする.「取り敢えず行こう.二人ともこのまま行くのをやめて家に帰って眠れる性格でもあるまい」の筆者の一言で出発が決まった.その時点で,現地神岡は市街地でも雨又は雪で少し山に行くと積雪あり,大津山に至ってはどうなっているか判らない,経路である安房峠は降雪と凍結のため通行止めという状況であった.普通ならここで断念するしか選択肢はない筈なのだが.
 国道16号を南下し八王子へ,ここで給油を済ませ,中央高速道へ.しかし二人とも前日や当日十分に睡眠を取っておらず,八王子から幾らも行かない山梨県内のサービスエリアで睡魔に打ち勝てず敢えなく仮眠を取ることに.もっと早く出ていればいつもこのルートでなら眠くなるまでに塩尻には到着している筈だ.
 翌朝は9時に起床.状況が緊迫している割には遅い目覚めだが,ここで睡眠時間を削り過ぎても後々良くない.再び車を走らせ,携帯電話を駆使して現地や経路の情報を収集しながら松本に着く.情報によれば途中の安房峠は降雪はあるものの通行はできそうだ.神岡までも状況はそう悪くない.現地からは大津山にも行くことはできそうとの情報が.一時は木曽福島から迂回するルートも考えたが,むしろそちらの方が状況は悪いと聞いていただけに,安房峠を通って行けることは時間の面でも気持ちの面でも我々をどれ程安堵させたことか.  しかしこのままでこの先を行ける訳でもなかった.車のタイヤを冬用に交換しなければならない.まさかこの季節に目的地に到達するまでに必要になるなどとは考えもしなかったので,予め交換していなかった.松本市内でタイヤ安売りの店を探し,その中でも最も安いタイヤを購入し交換した.しかも松本に着いたのが12時過ぎ,季節と当日の天候とで店にはタイヤ交換に訪れた客で溢れ返り,筆者の車も作業の順番待ちだけで2時間かかるという.念のため他の店にも行ってみたが大体同じ.元の店に戻り,2時間余りの損失は大きいがここでタイヤを替えておかないとこの先に進むこともできないので作業を依頼する.2時間あるので店の近くのうどん屋で昼食を取る.1時間程して店を出て,残りの時間を近くの家電量販店にでも行こうとした.こういった自動車の作業の待ち時間は大体は長く言われるのが常なので,念のため道すがら店の作業場を覗いてみた.すると作業は既に最終仕上げに入っており,あと数分で完了するという.1時間の余裕は大きい.作業終了を待ってすぐ出発.岐阜に通ずる国道を上高地方面に向かう.天候は曇りで時折細かい雪が舞う.市街地を抜け山間部に入ると雪は激しさを増し,上高地への道の分岐点辺りでは吹雪の様相を呈している.だが冬用タイヤの走りは快適で,「大津山に行けるならこの程度の雪は何でもない」と気が大きくなっている我々には心地良い山道のドライブとなっていた.
 安房峠の手前から路面に積雪や凍結が見られるようになり,所々で立ち往生している車も見かける.トンネルを抜け神岡行きの時には馴染みとなっている平湯の温泉街を横に見ながら長い坂を下る.いつの間にか雪は雨に変わっていた.
 現地で会うことになっていた地元出身の方に連絡を入れる.このままなら支障なく神岡入りができる.「スカイドーム神岡」で待ち合わせることになった.
 国道471号線を北上.辺りの山々は紅葉が美しいが,上の方は白くなっている.大津山もある程度の標高があるので降雪や積雪が予想された.
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道
中間地点付近.
スノーシェード
入り口は近い.
入り口手前
左手にコンクリートの擁壁が現れる.
入り口
視界が開けると大津山の入り口だ.
遠景
3年振りの大津山は雪に覆われていた.

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