神岡探訪記


その5/2002年11月訪問(1)

 5年前に独りで初めて神岡を訪れ,大津山に登った.翌年,友人と共に,買って2週間の新車の床を擦りながら大津山に登った.
 そして2年前の夏,再び訪れた茂住から大津山に通じる林道は土砂崩れのため通行止めになっていた.翌年,つまり昨年は2回行った.5月に行った時は林道に入ってそれ程行かない所で大量の雪が道を塞いでいた.3ヶ月後の8月はまたしても土砂崩れと路盤崩落のため通行止めに.
 2回目以降同行している友人とは「必ず大津山に」というのがここ数年の共通の想いであった.昨年思いを果たせなかった我々は数々のシュミレーションの結果,訪問の時期を,訪問に成功した1回目と2回目が秋だったことを重視して11月初旬と決定した.理由は12〜3月の冬期は当然積雪がありまず現地まで辿り着くことはまず不可能,さりとて4〜5月でも前回の経験から雪が残っていることが充分考えられる.7〜9月は雨や台風等による天候不順や災害も考えられ,更に熊の出没も頭に入れておかなければならない.夏草も茂り行く手を阻むであろう.10月は夏に災害等があった場合にその影響が残っている可能性もある.とすると6月か11月となる.勿論近所や隣県から行くのであれば行って駄目でもまた次回来れば良い,と思えるが,筆者達の場合は現地までは直線距離で200キロ,しかし道程にするとその1.5倍程度にはなり,訪問に際しては時間と費用の捻出は避けられない.幾ら何でも年に3回も4回も行く訳にもいかないので,必然的に1回1回が貴重になる.これは筆者達に限ったことではないであろうが.それだけに訪問日の選定は慎重にやらなければならない.当然だが仕事や祝日等の摺り合わせが第一となってくるので何時でも良いという訳にもいかない.検討の結果,11月3日深夜出発で翌4日現地訪問,ということになった.これを決めたのが今年の3月.今度こそ,と意を決した.
 ともかくもここ数年「大津山に行けない」ということが重い足かせにすらなっていた諦めの悪い我々には,運を天に任せるしかない.
 その後は友人と事ある毎に大津山が話題に出る.深夜のファミレスで,どこかに行く車の中で,メール等で.縁もゆかりもない2人の間で大津山や神岡の話題が日常的に出るなど普通に考えればおかしな話であるが,我々の頭の中には常に大津山や神岡のことを思案している領域があった.
 10月,そろそろ訪問が近付いてきたので,情報収集を始めた.どうやら道路は通行できるらしい.仮に道路が車で通れなくても徒歩で行く覚悟はあった.いずれにしても訪問の決行を確定した.
 しかし,10月も終わろうかというある日から,山の天気が怪しくなり始めた.この時期標高の高い日本アルプス等で降雪があるのは珍しくはないが,長野や岐阜の山間部だけでなく平野部でも若干早い降雪があり,一部では道路交通に影響が出る程だという.大津山の状況も悪くなっている可能性がある.友人と善後策を協議する.「このままでは無理であろう」と言う友人に対し,筆者は「何とかなるであろう」などと決行を主張した.普通の旅行やドライブなら断念していたかも知れないが,諦めの悪い筆者はもう行くことしか考えていなかった.今まで独りで色々な所に行ってきたが大体何とかなった,というたまたま運が良かっただけの経験が諦めの悪さの所以である.
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客車
大津山への入り口に佇む客車.ここまでなら何度も来た.
道
だんだんとカーブも勾配もきつくなり,路面も石だらけになる.
分岐点
大津山への分岐点.ここで車を降りた.
道
普通の車で登るのはかなり難しい.
ゲート
分岐点からしばらく行った所にあるゲート.

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