神岡探訪記


その2/1998年11月訪問(3)

 坂を登り切り,広場に出る.大津山だ.広場に車を停める.友人は感動した様子で物珍しそうに辺りを見て回り始めた.筆者も1年振りの感慨に耽る.
 霧の中を筆者の道案内で進む.道と言っても1本しかないが.
 友人には崖下に打ち棄てられた鉱車や廃屋をとくとご覧いただく.友人は鉄道だけでなく廃屋に放置されたゴミに興味があるらしいが,アンティークと云えば聞こえは良いが要はゴミだ.しかしそれなりに価値というものもあるのであろう.友人はそちらの方面には造詣が深く,筆者では見落としてしまいそうな骨董品を次々に発見している.
 一通り終点まで往復する.坑道にも少し入り冷たい風の流れを味わう.風があるということはどこかに通じているのだろうか.この鉱山の全体像を我々が想像するには余りにも情報がなさ過ぎた.一体どのようになっているのだろう等と話をしながら広場に戻る.霧に霞む谷側の広大な広場を眺める.草むらの中に,2階建て程の大きさの家屋のコンクリートでできた壁面が1枚佇んでいる.コンクリート製の建造物はそれしか見当たらない.あるのは木造の平屋の事務所風のものが数棟.やはりどうにかして近付けないかと思案したが道は草に埋もれており断念する.
 車を停めてある広場に戻る.霧がさらに深くなりそう(*14)なので山を下りることにする.先程の水溜まりを走り抜け,ローギアを駆使しながら慎重に悪路を下る(*15).
 登りは40分程かかったが,下りは30分弱であった.茂住に戻るともう陽は落ちていた.
 今下りてきた山を眺めながら,次の目的地(*16)に向かい国道を北上した.
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坑道入口外観
坑道の入口部分の外観.コンクリートの部分はしっかりしている.
終点
軌道の終点.1年前に比べ草が枯れていて近付き易い.
貨車形式写真
広場に放置してあった貨車(台車?).線路に乗せてみた.一人で移動できる程軽い.
車と貨車
新車にして過酷な走行を強いられたばかりのスターレットと貨車.
プール
茂住事業所の上にある浄化用と思われるプール.沼に近い.毒々しい緑色が印象的.

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