神岡探訪記


その7/2004年8月訪問(2)

 以前より道の状態が僅かに良くなっているようだ.しかし相変わらず凸凹が激しく落石が多い.注意深く石や轍を避けながら,谷に落ちないよう車を進めるのは至難の業だ.今回最大の懸案であった崩落箇所もしっかり修復されていて一安心だ.
 そう長い距離ではないはずだが,随分長い道のりに感じる.以前の車と比べて今回の車種は床面が高いので,路面と床下の間を石がゴロゴロ移動するといったようなことはあまりなかった.だが床下からは不穏な音が響いている.登るに従って道の両側に草が覆い繁り,谷側の路肩が見えない.しかし見えていないことで谷に落ちる不安感は却って薄らいでいた.
 林道との分岐点まで辿り着いた.同行者と様子を見る.行けなくはなさそうだが,それはあくまでこの場所から見た様子での話だ.一旦この道を進んだら,引き返すのはほぼ不可能,終点まで行くしかない.しかし「ここまで来たんだから…」といつもの調子で行くことに.
 道は更に悪くなっていた.両側から繁った草が道を覆い,どこが路面かも判らないほどになっている.車は縦に揺さぶられ,床下には石が次々に当たっている.こんな中,助手席の同行者は麓からデジタルカメラで前景の動画を撮り続けているし,後部座席のもう1名は車の揺れを楽しんでいる様子.筆者ならこのような状態で後部座席には怖くて座っていられないと思ったりした.
 進むこと数分(体感では数十分位に思えたが),道が平坦になり山側にコンクリートの擁壁が見え,短いトンネルをくぐり,大津山に着く.4回目の大津山である.時折雨粒が落ちる程度で天候は不安定だが暫くは見て回れそうだ.但し物産店のあるこの広場を除いては一面に背丈以上もある草が繁り,奥まではとても行けそうにない.残念だが断念する.
 と言って見ているだけでは折角来た意味がないので,下に通じる舗装道路を行ってみることにする.舗装されているとは言え草は繁り路面ではなく殆ど草の上を歩くような有様だ.鈴と笛を鳴らし時折玩具のピストルを発砲させながら熊に警戒する.草を掻き分け,3人1列になって歩いて行く.湿気と熱気で大変な状態だ.後で判ったが,この時持っていた一眼レフカメラのシャッターが湿気のためか不調で,写真も半分以上が上手く撮れていなかった.暫く進んだが建造物なども特に見当たらず,熊や天候の心配もあるので引き返した.
 広場に戻り,他に行けそうな所はないかと見回すが,何処も彼処も一面草だらけ.広場から奥に少しだけ草が薄くなっている所があり,そこを行ってみた.以前見落としていたらしいが線路がそこには敷かれていた.しかしここもすぐに草が深くなり進めなくなった.同時にそれまで小粒だった雨が突如土砂降りになった.急ぎ車に引き返し,振り返る間もなく車を走らせ下山した.雨は少しの時間で道を一面泥水となって流れる.途中で進めなくなったり滑って転落でもしたら大事だ.慎重に,しかし急ぎ林道を下る.
 放置貨車の所まで来れば安心だ.一同胸をなで下ろす.まだ雨は勢いよく降り続いている.登り始めるのが少しでも遅かったら,登っている最中に大雨に見舞われたであろう.若しくは登るのを諦めていたかも知れぬ.何れにしても一瞬の時機だったのである.
 所期の目的を達成した我々は,特に当てもなかったがこのまま富山との県境辺りまで行ってみようということになり,国道を更に北上したのであった.
写真をクリックすると
拡大写真になります.


写真帖を見る
大津山
玩具拳銃・鈴・笛を鳴らしながら湿気ムンムンの茂みの中を歩く.
大津山
湿気でカメラのシャッターが動作不良になりご覧の通り.
大津山
広場の線路.奥に2本程あることに初めて気付く.
大津山
この車はこの後タイヤホイールキャップ1個を落とし,床下を一部損傷した.
大津山
こうなると一目散に下山しなければ危険である.

目次へ 次編へ ホーム


(C)Rottem;1998-2021 Alle Rechte Reserviert. Rottem